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【会計】従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(実務対応報告第36号)


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昨今ベンチャー企業を中心として、企業がその従業員等に対して新株予約権を付与する場合に、当該新株予約権の付与に伴い当該従業員等が一定の額の金銭を企業に払い込む取引が発生しています。

当該取引は、従来のストック・オプション会計基準の公表時には想定されていなかった(新株予約権を付与時に金銭の払い込む)ことからストック・オプション会計基準の適用範囲に含まれるのか、複合金融商品適用指針の適用範囲に含まれるのかが必ずしも明確でありませんでした。

 

結論としては、現行のストック・オプション会計基準の枠組みで対応することが適切であるとして整理したうえで、必要と考えられる会計処理及び開示を明らかにすることを目的として『従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(実務対応報告第36号)』を企業会計基準委員会より公表されました(平成30年1月)。

 

ストック・オプション会計基準の枠組みで対応すること理由

① ストック・オプション会計基準は自社株式オプションを従業員等に付与する取引等を整理した基準であり、従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引が有する、引受先が従業員等に限定されるという特徴や権利確定条件が付されているという特徴は、ストック・オプション会計基準が想定している取引と類似している。

② 前項の特徴を踏まえると、従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引は、ストック・オプション会計基準第 2 項(4)に定める報酬としての性格を有していると整理し得る(本実務対応報告第 18 項から第 28 項参照) 。

 

権利確定日以前の会計処理 (概要)

(1)権利確定条件付き有償新株予約権の付与に伴う従業員等からの払込金額を、純資産の部に新株予約権として計上する(本実務対応報告第 5 項(1))。 

(2)各会計期間における費用計上額として、権利確定条件付き有償新株予約権の公正な評価額から払込金額(上記(1)参照)を差し引いた金額のうち、対象勤務期間を基礎とする方法その他の合理的な方法に基づき当期に発生したと認められる額を算定する。当該権利確定条件付き有償新株予約権の公正な評価額は、公正な評価単価に権利確定条件付き有償新株予約権数を乗じて算定する(本実務対応報告第 5 項(3))。 

(3)権利確定条件付き有償新株予約権の公正な評価単価は付与日において算定し、ストック・オプション会計基準第 10 項(1)に定める条件変更の場合を除き見直さない(本実務対応報告第 5 項(4)①)。 

(4)権利確定条件付き有償新株予約権数の算定及びその見直しによる会計処理は、次のとおり行う(本実務対応報告第 5 項(5))。 

 

①      権利確定条件付き有償新株予約権数は、付与日において、付与された権利確定条件付き有償新株予約権数(以下「付与数」という。)から、権利不確定による失効の見積数を控除して算定する。  

② 付与日から権利確定日の直前までの間に、権利不確定による失効の見積数に重要な変動が生じた場合、これに伴い権利確定条件付き有償新株予約権数を見直す。見直し後の権利確定条件付き有償新株予約権数に基づく権利確定条件付き有償新株予約権の公正な評価額から払込金額(上記(1)参照)を差し引いた金額のうち合理的な方法に基づき見直しを行った期までに発生したと認められる額(上記(2)参照)と、これまでに費用計上した額との差額を、見直しを行った期の損益として計上する。 

③ 権利確定日には、権利確定条件付き有償新株予約権数を権利の確定した権利確定条件付き有償新株予約権数に修正する。修正後の権利確定条件付き有償新株予約権数に基づく権利確定条件付き有償新株予約権の公正な評価額から払込金額(上記(1)参照)を差し引いた金額と、これまでに費用計上した額との差額を、権利確定日の属する期の損益として計上する。 

(5)新株予約権として計上した払込金額(上記(1)参照)は、権利不確定による失効に対応する部分を利益として計上する(本実務対応報告第 5 項(6))。

 

権利確定日後の会計処理 (概要)

(1)権利確定条件付き有償新株予約権が権利行使され、これに対して新株を発行した場合、新株予約権として計上した額のうち、当該権利行使に対応する部分を払込資本に振り替える(本実務対応報告第 6 項(1))。 

(2)権利不行使による失効が生じた場合、新株予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分を利益として計上する。この会計処理は、当該失効が確定した期に行う(本実務対応報告第 6 項(2))


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