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【内部監査】監査調書はテンプレート化しよう


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監査調書は、医師が書くカルテなようなもので、十分な検討の過程(十分かつ適切な監査証拠)を経て結論に至ったかを記載したもので、何か問題が起きた際に、監査人を守る役目もあります。

 

文書化されていない監査調書(重要な事項は監査人の頭の中など)は、あまり意味がありません。

 

優れた監査調書の特徴は、完結(シンプル)に漏れなく作成されているところにあります。

重要な事項が、監査調書の総括欄に記載されていて、無駄な記述が少なく非常に見やすいのが特徴(見た目がきれいというわけではない)です。

また網羅性の点でも、必要な手続が漏れなく文書化されている点も特徴のひとつになります。

レビューしていても非常にスムーズに進みます。

 

監査調書をレビューすると、監査調書の作成者がどの程度理解しているか、考えながら手続を実施したかだいたい分かってしまいます。

内部監査従事者のトレーニングの視点や品質管理の点でも上席者のレビューは重要です。

 

経験が浅い監査実務者が作成した監査調書でありがちなパターとしては下記のとおりです。

・体系的に整理されていない(レビューしていても参照が非常に多くなる)

・情報量がとにかく多い、もしくは文書化が一切されていない

・重要な発見事項が、監査調書のいたるところにちりばめられている

・参照(リファレンス)がない

・発見事項に対して実施した監査手続や判断の過程の記述が足りない(口頭での説明が多い→その説明を書いてほしい)

・前年の監査調書をなぞっただけ(環境の変化に応じて追加した手続がない)

 

日本において、内部監査に対する予算は厳しいものがあります。

監査現場にいって、一から監査調書を作成することは、監査資源の有効利用や監査品質の点でももったいないことだと思います。

企業に応じたテンプレートを作成するまでには労力がいりますが、監査人員もローテーションで確保されていることを考えると網羅性や監査品質の確保の点では、一度、テンプレートを作成することをお勧めします。

 

紙面で監査調書を作成する方が、一般的には早く作成し終わります。

ただ、継続的に往査する場合には、前年度との比較に時間がかかり電子化する方が好ましいといえます。

(紙面での保存するか、電子化するかの判断は経験が必要)

 

他にも監査調書の作成については、WordよりもExelで作成した方が、翌年に前年度との比較が容易で、また数式の参照が見れるなど優位な点が多くあります。


内部監査支援専門

公認会計士(CPA)・公認内部監査人(CIA)・公認情報システム監査人(CISA)・公認不正検査士(CFE)・税理士

代表 小田陽一
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