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【要点と考え方】研究開発費等に係る会計基準


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【はじめに】

研究開発等に係る会計基準は、平成10年3月に企業会計審議会から公表されて来年で20年目を迎えようとしています。

この会計基準は、世の中で一般的にイメージされる研究開発とそのほかにもソフトウェアに関する会計処理について定めています。

最近では、テクノロジーベンチャーとして大学等での基礎研究をもとにIPOを目指す会社も増加しています。

また、AIをはじめIT技術の発展は目覚ましいものがあり、企業活動においてもソフトウェアに対する投資を抜きに事業計画をたてることは困難になってきています。


【実は誤った解釈がされていることが多い】

会計基準の考え方を正しく理解するには、『会計基準の設定に関する意見書』や『実務指針の結論の背景』をよく読むことが重要になります。

 

【誤解の例】自社利用目的のソフトウェアであれば、無条件に資産計上できる(しなければならない)⇒詳細なソフトウェアの取り扱いについては後日

 

会計基準等の本文に記載されるは語句は、厳選されています。

会計基準が設定された背景や考え方がよく理解がされていないまま会計基準等を読んだ場合に、シンプルに表現された会計基準等について誤った解釈をしてしまう可能性が生じます。


【研究開発費(ソフトウェア)の会計処理の前提となる考え】

 ゛重要な投資情報である研究開発費について、企業間の比較可能性を担保することが必要であり、費用処理又は資産計上を任意とする現行の会計処理は適当でない。
  研究開発費は、発生時には将来の収益を獲得できるか否か不明であり、また、研究開発計画が進行し、将来の収益の獲得期待が高まったとしても、依然としてその獲得が確実であるとはいえない。そのため、研究開発費を資産として貸借対照表に計上することは適当でないと判断した。
  また、仮に、一定の要件を満たすものについて資産計上を強制する処理を採用する場合には、資産計上の要件を定める必要がある。しかし、実務上客観的に判断可能な要件を規定することは困難であり、抽象的な要件のもとで資産計上を求めることとした場合、企業間の比較可能性が損なわれるおそれがあると考えられる。
  したがって、研究開発費は発生時に費用として処理することとした。”( 意見書三2)

(ポイント)

・ソフトウェアの開発も含め研究費開発段階においては、収益を獲得できるか不確実である。

・実務上、資産計上する要件を定めることは難しい。

・企業間の比較可能性を確保するためには、費用処理が原則と考えている。


【ソフトウェアの取り扱い】

゛(2) 研究開発目的のソフトウェアの制作費は研究開発費として処理されることとなるが、研究開発目的以外のソフトウェアの制作費についても、制作に要した費用のうち研究開発に該当する部分は研究開発費として処理する。

゛(3) 研究開発費に該当しないソフトウェア制作費の会計基準を制作目的別に定めるにあたっては、販売目的のソフトウェアと自社利用のソフトウェアとに区分し、販売目的のソフトウェアをさらに受注制作のソフトウェアと市場販売目的のソフトウェアに区分することとした。 ”

゛(3) ③ 自社利用のソフトウェア
  将来の収益獲得又は費用削減が確実である自社利用のソフトウェアについては、将来の収益との対応等の観点から、その取得に要した費用を資産として計上し、その利用期間にわたり償却を行うべきと考えられる。
  したがって、ソフトウェアを用いて外部に業務処理等のサービスを提供する契約が締結されている場合や完成品を購入した場合には、将来の収益獲得又は費用削減が確実と考えられるため、当該ソフトウェアの取得に要した費用を資産として計上することとした。
  また、独自仕様の社内利用ソフトウェアを自社で制作する場合又は委託により制作する場合には、将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められる場合を除き費用として処理することとなる。 ”( 意見書三3)

(ポイント)

・開発段階の会計処理を判断するにあたっては、いきなり目的別(販売目的、自社利用目的)に判断するのではなく、まずは研究開発の定義にあてはまらないか検討する。

・自社利用目的として判断した場合にも、資産計上にあたっては、将来の収益獲得又は費用削減について「確実性」を必要としている。


【まとめ】

研究開発費等に係る会計基準の背景は、研究開発費について費用処理(資産の計上を厳しく判定すること)を求めることで、企業間の比較可能性を確保していることに特徴があります。

研究開発費については、実務上判断に迷うことも多く詳細については、後日記載したいと思います。

 


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公認会計士(CPA)・公認内部監査人(CIA)・公認情報システム監査人(CISA)・公認不正検査士(CFE)・税理士

代表 小田陽一
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